征夷せいい)” の例文
紀井から大和と、次第に北朝軍の手の届かない奥吉野の山間僻地へきちのがれ、一の宮を自天王とあがめ、二の宮を征夷せいい大将軍たいしょうぐんあおいで、年号を天靖てんせいと改元し
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かしこの威徳おとろへたりといえども、さすがは征夷せいい大将軍の居城きょじょうだ、何処いずこの門も、番衆、見張、厳重にして隙間すきまがない。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
この年に秀忠は征夷せいい大将軍となり、大阪城の秀頼は内大臣に任ぜられた。徳川と豊臣氏のあいだにようやく不穏の雲ゆきが動きはじめたのもこの時分からである。
青竹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
征夷せいい大将軍——つまり将軍家という在来のものを、至上の職として、ひそかに、希望していたらしい。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なお、その上疏には諸有司相談の上で、一通の別紙を添え、開港のやみがたいことを述べ、征夷せいい大将軍の職をけても勅許を争おうとする幕府の目的を明らかにした。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
手を相場に下して一攫千金いつくわくせんきんの利を得るも、志士仁人が不幸数奇なることあるも、悪人栄えて善人ほろぶることあるも、尊氏たかうぢ征夷せいい大将軍となるも、正成まさしげ湊川みなとがはに戦死するも
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
僕等の日本は歴史上にもかう云ふ人物を持ち合せてゐる。征夷せいい大将軍源実朝さねともは政治家としては失敗した。しかし「金槐集きんくわいしふ」の歌人源実朝は芸術家としては立派に成功してゐる。
及ばず又知ざれば尋ねらるゝ事もなきはずなり今ま山内が此所ここにて飴色網代のおはなし申さんに先將軍の官職より解出ときいださゞればし難し抑々將軍に三の官ありしは征夷せいい大將軍とて二百十餘の大名へ官職を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ただ今の幕府は征夷せいい大将軍として天下を一統しており、また諸国の大小名に秩禄を与えておりますが、これは侯伯士太夫の爵位を授けることはできません……恐れながら、朝廷におかせられては
夜明けの辻 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
征夷せいい大将軍総追捕使そうついぶし
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)