引合ひきあひ)” の例文
喚出よびいだし三四度御自分樣じぶんさま引合ひきあひたる家も有り殊に御自分の云はるゝには小夜衣は我がめひなれば行末ゆくすゑ共にねんごろに私にたのむと小夜衣が文を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御米およねもつまりはをつと歸宅後きたくご會話くわいわ材料ざいれうとして、伊藤公いとうこう引合ひきあひぐらゐところだから、宗助そうすけすゝまない方向はうかうへは、たつてはなし引張ひつぱりたくはなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
私のことが引合ひきあひに出されて、それでロチスター氏が私の方を見はしまいかと、私はおそれた——それとも望んだと云ふべきであらうか? 我知らず、私は、なほも奧の方へと身をちゞめた。
したゝめ掛るに後藤半四郎も是を聞き長兵衞殿拙者せつしやの名前も書入られよすれば引合ひきあひゆゑ御呼出しになるに違ひなし其節奉行所にて久兵衞が舊惡きうあくを申立吟味詰ぎんみつめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もしトライチケの名がニーチエやヘーゲルと同じ意味に於て此戦争の引合ひきあひに出るならば、自分は少なくとも是丈これだけことあたまのうちに入れて置く方が便利だと考へる。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
して出るに直に探索方たんさくがたの御手にあふは必定なり萬一もししばられもする時は己もすぐ引合ひきあひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もし思ひ切つて、三千代を引合ひきあひして、自分の考へ通りを、遠慮なく正面からべ立てたら、もつと強い事が云へた。もつと平岡を動揺ゆすぶる事が出来た。もつとかれの肺腑に入る事が出来た。にちがひない。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)