弓杖ゆんづゑ)” の例文
素戔嗚は弓杖ゆんづゑをついたなり、ぢつとこの舟へ眼を注いだ。舟は彼をあざけるやうに、小さい筵帆むしろぼを光らせながら、軽々と浪を乗り越えて行つた。
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
弓杖ゆんづゑ炎天えんてんいはほいて、たまなす清水しみづをほとばしらせて、かわきあへぐ一ぐんすくつたとふのは、けだ名将めいしやうことだから、いま所謂いはゆる軍事衛生ぐんじゑいせい心得こゝろえて、悪水あくすゐきんじた反対はんたい意味いみ相違さうゐない。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
碁盤立ごばんだち弓杖ゆんづゑ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
素戔嗚は高い岩の上に、ぢつと弓杖ゆんづゑをつきながら、兇猛な微笑を浮べてゐた。
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)