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底止
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ていし
ふりがな文庫
“
底止
(
ていし
)” の例文
右の如く、
底止
(
ていし
)
することなき、突発の椿事が椿事をうみ、天井から先に火がついて、室内をパッとすさまじい明るさにしてしまいました。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
だが利根の激流は年々歳々、勢いを増してきて、城壁は崩れて
底止
(
ていし
)
するところを知らない。ついに、三の丸も危なくなった。
老狸伝
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
気分のすさんだ倉地も同じ葉子と同じ心で同じ事を求めていた。こうして
二人
(
ふたり
)
は
底止
(
ていし
)
する所のないいずこかへ手をつないで迷い込んで行った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
而
(
しこう
)
して露国またその
虚
(
きょ
)
に
乗
(
じょう
)
ぜんとす。その
危機
(
きき
)
実に
一髪
(
いっぱつ
)
と
謂
(
い
)
わざるべからず。
若
(
も
)
し幕府にして
戦端
(
せんたん
)
を開かば、その
底止
(
ていし
)
するところ
何
(
いずれ
)
の
辺
(
へん
)
に在るべき。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
これも大問題ではありませんか。こん風に考えて
行
(
ゆ
)
けば、問題は問題を生んで
底止
(
ていし
)
する所を知らないのです。お
尋
(
たずね
)
になるから、こんな事も言います。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
▼ もっと見る
氏子
周章
(
しゅうしょう
)
、百方工夫して基本金を積み存立を得たるも、また値上げ、また値上げとなり
底止
(
ていし
)
するところを知らず。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
父の遺書を読んで以来、幾度か驚き、幾度か意外の感に打たれたが、数多い書類を読み進むほど、事件は益々奥深くなり、神秘性を増して、
底止
(
ていし
)
する所を知らないのだ。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
こうして
縷述
(
るじゅつ
)
して来ると彼の法螺の底力は殆んど
底止
(
ていし
)
するところを知らない。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この快楽は生に向って進むに従って分化発展するが故に——この快楽は道義を犠牲にして始めて
享受
(
きょうじゅ
)
し得るが故に——喜劇の進歩は
底止
(
ていし
)
するところを知らずして、道義の観念は日を追うて
下
(
くだ
)
る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただにこれを一掃するのみならず、順良の極度より詭激の極度に移るその有様は、かの仏蘭西北部の人が葡萄酒に酔い、菓子屋の
丁稚
(
でっち
)
が
甘
(
かん
)
に
耽
(
ふけ
)
るが如く、
底止
(
ていし
)
するところを知らざるにいたるべし。
経世の学、また講究すべし
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
また白く白く
擾乱
(
じょうらん
)
して
底止
(
ていし
)
するところを知らないのだ。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
あなたに書く事は
底止
(
ていし
)
なく書く事です。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
“底止”の意味
《名詞》
行き着くところまで行き、そこで止まること。
(出典:Wiktionary)
底
常用漢字
小4
部首:⼴
8画
止
常用漢字
小2
部首:⽌
4画
“底止”で始まる語句
底止無