川辺かわべ)” の例文
旧字:川邊
いつこの川辺かわべのおれたちのかえされてしまうかわかったものでない。あぶないとなったら、どこへかしをしなけりゃならん。
縛られたあひる (新字新仮名) / 小川未明(著)
別天地の小生涯しょうせいがい川辺かわべ風呂ふろ炊事場すいじばを設け、林の蔭に便所をしつらい、麻縄あさなわを張って洗濯物をし、少しの空地あきちには青菜あおなまで出来て居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
摂州川辺かわべ郡東富松の部落においては、すでに茨木童子の家筋いえすじは絶えたかわりに、更に一段と心を動かすべき物語が残っていた。『摂陽群談せつようぐんだん』巻十に曰う。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
即ち「昔々しきりに思う慈母の愛」「春あり成長して浪葉にあり」の情愁で、時間の遠い彼岸ひがんにある、或る記憶に対するのすたるじや、思慕エロス川辺かわべへの追憶である。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
若草の妻の子故に川辺かわべ川しば/\渡るつまの子故に
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
かれは、きたい気持きもちになって、ひと川辺かわべあるいていました。なつのころ、どこの子供こどものつけた足跡あしあとかしれないが、浅瀬あさせのどろのうえのこっていました。
丘の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから歩を返えして、利別としべつ川辺かわべ模範もはん農夫のうふの宮崎君を訪う。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
(諸国里人談その他。兵庫県川辺かわべ郡稲野村昆陽)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)