崇敬すうけい)” の例文
千葉県香取郡香取町に鎮座する官幣大社香取神宮(祭神経津主命ふつぬしのみこと即ち伊波比主命いわいぬしのみこと)と共に、軍神として古代から崇敬すうけい至ったものであった。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「静御前」と云う一人の上﨟じょうろう幻影げんえいの中に、「祖先」に対し、「主君」に対し、「いにしえ」に対する崇敬すうけい思慕しぼの情とを寄せているのである。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
しかも佐竹家が率先してつとにこれを崇敬すうけいした動機は、すぐれて神通力という中にも、特に早道はやみち早飛脚はやびきゃくで、しばしば江戸と領地との間に吉凶を報じた奇瑞きずいからであった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
心にもない崇敬すうけいを、私は無理にもさせられるのである。私はそれに耐えきれない心地がした。と、一方ではまた、私のそうした心持ちが自然とその態度に現われたのに相違ない。
われ/\の崇敬すうけいする偉人いじんでも、大地震だいぢしんとなるとわれわすれてされるのであるから、二階建にかいだて三階建さんがいだてとう階下かいか平家建ひらやだて屋内おくないにゐたひとすのは、もつともな動作どうさかんがへなければなるまい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)