山盛やまもり)” の例文
翌日あくるひ文鳥は鳴かなかった。粟を山盛やまもり入れてやった。水をみなぎるほど入れてやった。文鳥は一本足のまま長らく留り木の上を動かなかった。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
諸君しよくんかずや、むかし彌次郎やじらう喜多八きたはちが、さもしいたびに、いまくひし蕎麥そば富士ふじほど山盛やまもりにすこしこゝろ浮島うきしまがはら。やまもりに大根だいこんおろし。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こら昔何とか大夫だゆうちう浄瑠璃のお師匠はんがひらいた店でな、一杯山盛やまもりにするより、ちょっとずつ二杯にする方が沢山ぎょうさんはいってるように見えるやろ
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
お登和嬢「あれは塩一合へ水一合を加えて鍋で煮てよく冷ましたものへ山盛やまもり一升の一口茄子を漬けて軽いおしを ...
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
山盛やまもりよそってくれ。ああ腹が減った。
新学期行進曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
山盛やまもりにすると十六杯位で一斤になります。しかしメリケン粉もふるったのですと大匙で並に三十杯量らなければなりません。即ち二杯と三杯と同じ事になります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
医者が不消化物を厳禁するかと思うと看護婦が賄方から不消化物の山盛やまもりを病人の枕元へ運んで来るという有様ありさまだ。或る病院では各日の朝生玉子を二つずつぜんに添える。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
山盛やまもり二杯、新鮮なクリーム二合とそれだけを
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)