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小野田幸之進
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をのだかうのしん
貞柳と云ひしが此者通仙と
入魂なりし故妻子の難儀を見兼ねて世話をなしける處
尼ヶ
崎の藩中に
小野田幸之進と云人有りしが
勘定頭を
上我々は上方者にて
御當地に知人もなく
止事を得ず御山内に
住居仕つり候と申立るを大岡
殿呵々と笑はれ
白痴め知人なしとて宿屋もあり
汝等が罪は明白に
知れて居るぞ
江尻に於て
小野田幸之進を
上舊尼ヶ
崎の
藩中小野田幸之進と申者にて
主用有之上方へ
登り候
時江尻宿にて
盜賊の爲に
切害に
逢主人の金四百五十
兩并に其身
用意の
金二十
兩衣類大小まで
奪ひ取られ家も
斷絶仕つりしのみか
盜賊の爲に
殺害致されしは武士の
恥辱とて一家中
幸之進の
噂以ての
外宜からず
如何にも
口惜く
存候まゝ神佛へ
誓を