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家路
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いえじ
ふりがな文庫
“
家路
(
いえじ
)” の例文
夕ぐれ、めっきり水の細った秋の公園の噴水が
霧
(
きり
)
のように淡い水量を
吐
(
は
)
き出している
傍
(
そば
)
を
子守
(
ナース
)
達は子を乗せた
乳母車
(
うばぐるま
)
を押しながら
家路
(
いえじ
)
に帰って行く。
巴里の秋
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
俊寛は、釣り上げた魚を引きずりながら、自分の小屋への道を
辿
(
たど
)
る。一町ばかり歩いて、後を振返った。少女も
家路
(
いえじ
)
に向おうとして立ち上っている。
俊寛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
青年は絶えずポケットの内なる物を握りしめて、
四辺
(
あたり
)
の光景には目もくれず、野を横ぎり
家路
(
いえじ
)
へと急ぎぬ。ポケットの内なるは治子よりの昨夜の
書状
(
てがみ
)
なり。
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
その圧迫する厭やな気分は、どんなにしても自分の家に、彼女を帰らせまいとするほどだった。けれども結局、彼女は重たい
外套
(
がいとう
)
を着て、いつも通りの
家路
(
いえじ
)
をたどって行った。
ウォーソン夫人の黒猫
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
あわれな
母親
(
ははおや
)
は、
学校
(
がっこう
)
の
門
(
もん
)
をでると、
教師
(
きょうし
)
から
受
(
う
)
けた、ひややかな
感
(
かん
)
じに、
学校
(
がっこう
)
をいやがるのも、
子供
(
こども
)
ばかりを
責
(
せ
)
めるわけにはいかぬと、ふかく
考
(
かんが
)
えながら、
家路
(
いえじ
)
を
急
(
いそ
)
いだのでした。
天女とお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
警官は金ピカの肩章ようのものをつけていて顔なども老成のあとがあり、平巡査ではなく、署長程度の人ではないかと思われた。巡回の途次ではなくて、
家路
(
いえじ
)
へ急ぐとでもいう風であった。
篠笹の陰の顔
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
公園の外側のひろびろとした広野を越えて、
家路
(
いえじ
)
についた。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“家”で始まる語句
家
家内
家中
家来
家鴨
家主
家人
家族
家並
家庭