家康公いえやすこう)” の例文
これすなわち宗祖そうそ家康公いえやすこう小身しょうしんよりおこりて四方を経営けいえいしついに天下の大権を掌握しょうあくしたる所以ゆえんにして、その家の開運かいうんは瘠我慢のたまものなりというべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
イヤこの山には金鉱きんこうみゃくがある! すなわち家康公いえやすこうにとっての金脈きんみゃくがあるのだ! これからそれをさがしにかかるのだから、ずいぶんほねを折るがよい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
当時とうじにおける外交の事情じじょうを述べんとするに当り、小栗上野介おぐりこうずけのすけの人とりよりかんに、小栗は家康公いえやすこう以来有名ゆうめいなる家柄いえがらに生れ旗下きか中の鏘々そうそうたる武士にして幕末の事
家康公いえやすこうの母君の墓もあれば、何とやらいう名高い上人しょうにんの墓もある……と小さい時私は年寄から幾度となく語り聞かされた……それらの名高い尊い墳墓も今は荒れるがままに荒れ果て
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
御家人ごけにん旗本はたもとの間の大流行は、黄白きじろな色の生平きびらの羽織に漆紋うるしもんと言われるが、往昔むかし家康公いえやすこうが関ヶ原の合戦に用い、水戸の御隠居も生前好んで常用したというそんな武張ぶばった風俗がまた江戸にかえって来た。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
というと、山ほりたち、合点がってんといっせいにこしつちをひきぬいて、金脈きんみゃくだ金脈だ! 家康公いえやすこうから恩賞おんしょうのでる金脈だとばかり、たちまちそこをりぬけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「へんなこともあるものじゃ——まさしゅうこれは家康公いえやすこうのお手紙で、おまけに今夕こんゆうのお日附ひづけとなっている」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)