トップ
>
宥恕
>
ゆうじょ
ふりがな文庫
“
宥恕
(
ゆうじょ
)” の例文
自分にしても、
若
(
も
)
し会社の
上役
(
うわやく
)
に会って誘われゝば、矢張り同じような態度を取るかも知れないと思って、
宥恕
(
ゆうじょ
)
することに努めた。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
どんなことをも理解し
宥恕
(
ゆうじょ
)
してくれる、眼に見えない友へ、自分の心を打ち明けるという慰安を、もの悲しい楽しみを、彼は
懺悔
(
ざんげ
)
のうちに味わった。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
原詩及原作者について解説することは筆者の能くし得るところではないから
偏
(
ひとえ
)
に読者の
宥恕
(
ゆうじょ
)
を請うばかりである。
「珊瑚集」解説
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
死ぬ考えもない子を殺したから謀殺で、それでも十二年までの
宥恕
(
ゆうじょ
)
があったのである。このあわれな女も牢を出てから、すでに年久しく消息が絶えている。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
一歩も譲らない真理が、彼の胸を
膝
(
ひざ
)
の下に押さえつけたことも、幾度であったろう。彼が光明から投げ倒されてその
宥恕
(
ゆうじょ
)
を願ったことも、幾度であったろう。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
たちまちもう死ぬほど胸が悪くなる(しかも決して
宥恕
(
ゆうじょ
)
なんぞできる気持じゃない)
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
何も知らぬ
頑是
(
がんぜ
)
ない私に、
宥恕
(
ゆうじょ
)
を
乞
(
こ
)
うような
口調
(
くちょう
)
で言ったのを私は覚えている。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
しばらく
宥恕
(
ゆうじょ
)
いたし候につき、
速
(
すみや
)
かに
姦徒
(
かんと
)
の罪状を
糺明
(
きゅうめい
)
し、厳刑を加うべし。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼は唯哀願して
只管
(
ひたすら
)
に
宥恕
(
ゆうじょ
)
を請うばかりである。
南島譚:02 夫婦
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そしてワイトマンの
宥恕
(
ゆうじょ
)
を哀願したのだった。
軍用鼠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
将
(
まさ
)
にパスカルの崇高な狂暴にとらわれんとしかかって、理性に
宥恕
(
ゆうじょ
)
を求めながら、痛切な苦悩に陥った」のだった。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
対抗しながらもいかにそれを
宥恕
(
ゆうじょ
)
すべきものであるかを感じ、抵抗しながらもいかにそれを
貴
(
とうと
)
んでいることであろう! おのれのなすべきところをなしながら
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
肉切庖丁は五度引きあげられ落とされて、受刑人を五度切りつけた。受刑人は五度ともその打撃の下にわめき声をたて、
宥恕
(
ゆうじょ
)
を求めながら生きた頭をうち振った。
死刑囚最後の日
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
いかに大なる自尊心も、少しの恋愛に比べては、実にわずかなものであると感じた。彼はあらゆる品位を忘れて卑劣になり、新たにいく本も手紙を書いて、
宥恕
(
ゆうじょ
)
を嘆願した。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ただ恐ろしいことには、戦々
兢々
(
きょうきょう
)
としている。その恐怖の念は、反徒らに対するひどい冷淡さを
宥恕
(
ゆうじょ
)
するものである。また酌量すべき情況としては狼狽の念もいっしょにある。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それは年若き者にあっては、きわめて
宥恕
(
ゆうじょ
)
すべきほとんど罪なき快楽ではあるが、しかし芸術と魂とにとっては、致命的なものである。——クリストフはその快楽を知っていた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
それは道理ある恐怖であり、
宥恕
(
ゆうじょ
)
すべき憤怒である。この不思議なる革命はほとんど突撃の手を振るわなかった。敗亡したる王位に、敵対して血を流すだけの名誉をさえ与えなかった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“宥恕”の意味
《名詞》
寛大な心で許し、咎めないこと。
(出典:Wiktionary)
宥
漢検準1級
部首:⼧
9画
恕
漢検準1級
部首:⼼
10画
“宥”で始まる語句
宥
宥免
宥覚
宥源
宥和
宥快
宥欣