どき)” の例文
「梅雨どきに入つてゐるんでせうが、未だ少しも雨が降りませんね。好いあんばいと云ふのか、悪いのか知りませんが。」
夏ちかきころ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
前夜ぜんやあめはれそら薄雲うすぐも隙間あひまから日影ひかげもれてはるものゝ梅雨つゆどきあらそはれず、天際てんさいおも雨雲あまぐもおほママかさなつてた。汽車きしや御丁寧ごていねい各驛かくえきひろつてゆく。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それは、未だ余等が毎日海へ通つてゐた頃からではないか! それが、既に蜜柑の盛りどきになつてゐるではないか!
西瓜喰ふ人 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
それでも田舎よりはいくらか遅い東京のお花見どきだつた筈だ……と思ふんだが、さうでもなかつたのかな! あの時もあの連中と一緒に出かけてついでに此方に廻らうかとも思つたのだが
お蝶の訪れ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)