孝陵こうりょう)” の例文
されども人智はかぎり有り、天意は測り難し、あにはからんや、太祖が熟慮遠謀して施為しいせるところの者は、すなわち是れ孝陵こうりょうの土いまだ乾かずして、北平ほくへいちり既に起り、矢石しせき京城けいじょう雨注うちゅうして
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
郡主は燕王の従姉じゅうしなり。燕王かずして曰く、皇考の分ちたまえるわがかつ保つあたわざらんとせり、何ぞ更に地をくを望まん、たゞ奸臣かんしんを得るの後、孝陵こうりょうえっせんと。六月、燕師浦子口ほしこうに至る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
入京会葬をとどむるの事、遺詔にづと云うといえども、諸王、せめ讒臣ざんしんたくして、しこうして其の奸悪かんあくのぞかんと云い、こう孝陵こうりょうに進めて、而して吾が誠実を致さんと云うに至っては、けだ辞柄じへい無きにあらず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)