媒人なかうど)” の例文
してたもれと言れて乳母うばにもと思ひしばし工夫にくれたり折柄をりから媒人なかうどの富右衞門來りしによりこれさいはひと乳母は彼の艷書を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
媒人なかうどは三沢順民じゆんみんであらうか。少くも三沢氏が所謂橋渡をしたことは明である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
石黒忠悳男は今ではひまにまかせて茶の湯を立てたり、媒人なかうどをしたり、また喧嘩の仲裁をしたりして暮してゐる。その石黒男のやしきに長年奉公つとめてゐる女中が、ある日の事、男爵の前に両手を突いて
おびたゝしい支度金と、顏の良い媒人なかうどと、そして、たつた一ぺんの見合ひで、話はトントン拍子に進み、その年の秋には、ケチな荒物屋の一人娘が、江戸でも有名な分限者ぶげんしや、車坂の池田屋の嫁御寮として
申入るゝ者多かりしが今度このたび同宿どうしゆく杉戸屋すぎとやとみ右衞門が媒人なかうどにて關宿せきやどざい坂戸村さかとむらの名主是も分限ぶんげんの聞えある柏木庄左衞門かしはぎしやうざゑもんせがれ庄之助に配偶めあはせんとてすで約束やくそくとゝの双方さうはう結納ゆひなふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
關宿せきやどへ縁談の媒人なかうど迄も仕つり候程のことにて兄弟の如くまじはり候中に付何とてかれを殺害など仕つるべきや此儀何分御賢察けんさつ下され御慈悲じひの程をひとへに願ひ上奉つると申立れども伊奈殿はかうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)