威猛高ゐたけだか)” の例文
驚く源吉、威猛高ゐたけだかに妹をきめ付けようとしましたが、お松はそんな事には馴らされてゐない樣子で、なか/\引込みさうもありません。
つのるに於ては是非に及ばず此大勢おほぜいにて半年又は一年かゝりても澤の井の出所しゆつしよ調しらべねばならぬぞ左樣さやうに心得よと威猛高ゐたけだかになりておどすにぞ村中の者きも
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「だから、おれが今云ふのじや。」川崎は少し威猛高ゐたけだかになつて、「手金はおれが工面するから、もう二日待て、その代り、第二號をずん/\組んで貰はう。」
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
兄の千久馬は、もう威猛高ゐたけだかである。
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
威猛高ゐたけだかになるのは、三十五六の浪人、高利の金を貸して、品川一圓の憎まれ者になつて居る、澤屋利助の用心棒、大川原五左衞門といふ御家人崩れです。
夫婦ふうふにてあらおとさんと成しゝをり捕手の者まかこし召捕めしとりしと申ぞこれ天命てんめいのがれざる所なり之にても未だちんずるやと威猛高ゐたけだかになつて申けるに傳吉は恐れながらすそならびに敷石しきいしに血のつきたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
石川良右衞門は威猛高ゐたけだかになりました。五十年輩の押の強さ、錢形平次は危ふく踏止つて陣を立て直します。
直し此は存じもよらぬことをうけたまはるものかな我等にむか盜賊呼どろぼうよばはり其分には相濟ず不屆ふとゞきなる申し分也と威猛高ゐたけだかになつて申しけるにぞそばよりおや憑司も張肱はりひぢなしコリヤ悴よ傳吉に泥棒呼どろぼうよばはりを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
聟から岡つ引に引拔ひきぬいたガラツ八は、品吉を縁側に引据ゑて威猛高ゐたけだかになります。