女体にょたい)” の例文
旧字:女體
折り重なる日光の山々、男体なんたい女体にょたい、太郎山、丸山などが、秋の空気の魔術か、今日は、眉にせまるように近々と望まれる。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
……蛇塚の眷族はみんな女体にょたいだそうだから、ひょっとすると、こりゃあ、色っぽい話になるかも知れないぞ。ひとつ、とっつかまえて、口説くどくか
顎十郎捕物帳:15 日高川 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しかし、芸術の士にとって、虱の如く見る可きものは、独り女体にょたいの美しさばかりではない。
女体 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
雨露あめつゆ黒髪くろかみしもと消え、そですそこけと変って、影ばかり残ったが、おかおの細くとがったところ、以前は女体にょたいであったろうなどという、いや女体の地蔵というはありませんが、さてそう聞くと
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もっとも普賢菩薩は女体にょたいの仏様だから、こいつは心中にならないかも知れない
男体なんたい女体にょたい二つ並んで水と空の間にゆったりと立った筑波が、さながらに人のようで、またさらに二親ふたおやのように思われて、其のゆったりとしてやさしく大きく気高く清い姿がなつかしくてなつかしくて
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
甲号は男体だんたいであり、乙号は女体にょたいに作りあげることになった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
顔よき女体にょたいぞおわします
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まつられましたは、端麗な女体にょたいじゃ、と申します。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
顔よき女体にょたいぞおわします
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)