太綱ふとづな)” の例文
太綱ふとづな一端いつたん前齒まへばくはへてする/\と竿さをのぼりてたゞち龍頭りうづいたる。蒼空あをぞらひとてんあり、飄々へう/\としてかぜかる。これとするにらず。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その太綱ふとづな手繰たぐって、筏が川の中ほどまで出たとき、うしろの堤の上にまた四、五十人の人影があらわれた。すぐ追って来た野武士たちである。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ロボはもう向かってくる勢いもないから、私達わたしたちはその口へぼうをかませ、太綱ふとづなであごをしばった。いまはかれは、まったく観念したような目で私たちを見ている。
船具に使ふ太綱ふとづなで、人間の着物を着せた、でつかい澤庵たくあん石がブラ下がつてゐるとしたら、どんなものです
また太綱ふとづなをもって扶けなどして、交互に渡り橋を架けわたし、その上を自由に往来なせば、諸船の人々、馬をすら、平地を行くが如く意のままに歩けましょう。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)