大黄だいおう)” の例文
馬「はゝ当帰とうき大黄だいおう芍薬しゃくやく桂枝けいしかね、薬の名のようなめ方だからおかしい、何しろ一寸ちょっと休んで近くで拝見などは何うでげしょう」
で、ハバトフは訪問ほうもんをするたびに、きっとブローミウム加里カリはいったびんと、大黄だいおう丸薬がんやくとをってる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あの辺の生薬屋は一軒残らず訊いて歩くと、茅場町かやばちょうに浪花屋の番頭さんに下剤の大黄だいおう
彼はなにゆえにかくの如きことをなせしや。彼はみずから曰く、「宿疴しゅくあの胸腹に凝滞ぎょうたいつかまつり、一円いちえん快愈のきざしこれ無きの姿に付き、一旦烏頭うず大黄だいおうの激剤相施し申さず候えば、とても功験得難く候」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
大黄だいおうの下剤の如きは、二、三時間以上を経過するに非ざれば腸に感応することなし。薬剤の性質、相異なるを知るべし。また、草木に施す肥料の如き、これに感ずるおのおの急緩の別あり。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「へえ、大黄だいおうのタルトでも、いちごのタルトでも、すぐりの実のタルトでも」
「さあ」と蔵人は渋面じゅうめんを作り、「特効薬は目付からない。大黄だいおう皁莢さいかち白牽子はくけんし鬱金うこん黄蓮おうれん呉茱ごすの六種、細抹にして早旦そうたんに飲む。今のところではこんなものだ。だがそのうち目付かるだろう。 ...
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
で、ハヾトフは訪問はうもんをするたびに、屹度きつとブローミウム加里カリはひつたびんと、大黄だいおう丸藥ぐわんやくとをつてる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いくら大黄だいおうだって、そんなに急に腹が痛くなるわけはないし、怪しい安倍川を川へ捨てたというのもテニハの合わない話だ、——これはやはり二人で逢引するためのこしらえ事だろう。
大黄だいおうかな?」