大社たいしゃ)” の例文
大社たいしゃにおまいりするとみやげ物としてどの店にも山ほど並べている。だが出雲の焼物の中でこの「出雲焼」ほど醜悪な貧弱なものはない。
雲石紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
うけたまわれば、弁ノ殿には、これより紀州きしゅう高野こうや播磨はりま大山寺たいせんじ伯耆ほうき大社たいしゃ、越前の平泉寺などへ、内々の綸旨りんじをおびて、忍びやかに御廻国のよし。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またの一つは活神様いきかみさま御祭神ごさいじんいたしたもので、出雲いずも大社たいしゃ鹿島神宮かしまじんぐう霧島神宮等きりしまじんぐうなどがそれでございます。
その寒い風が吹くにつけ自分の住居の破れ障子が今更のように目についてびしく、それから吹込む風も寒い、のみならず世上は八百万やおよろずの神々が出雲いずも大社たいしゃへ旅立をせられて
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
雨乞いの祈祷きとう、それに水の拝借と言って、村からは諏訪すわ大社たいしゃへ二人の代参までも送った。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
大社たいしゃやしろの中の社であります。日本の最も古い建物の様式がここに見られます。宍道しんじ湖や中海なかうみの風光もこの国をどんなに美しくしていることでありましょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)