大盃おほさかづき)” の例文
晝間ひるまの暑き日の熱のほてり、いまだに消えやらぬまき草間くさまに横はり、あゝこのゆふべのみほさむ、空が漂ふ青色あをいろのこの大盃おほさかづきを。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
片肌かたはだぬぎに團扇うちわづかひしながら大盃おほさかづき泡盛あはもりをなみ/\とがせて、さかなは好物こうぶつ蒲燒かばやき表町おもてまちのむさしへあらいところをとのあつらへ、うけたまわりてゆく使つかばん信如しんによやくなるに、そのやなることほねにしみて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
片肌ぬぎに団扇うちわづかひしながら大盃おほさかづき泡盛あわもりをなみなみとがせて、さかなは好物の蒲焼かばやきを表町のむさし屋へあらい処をとのあつらへ、承りてゆく使ひ番は信如の役なるに、その嫌やなること骨にしみて
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)