大津おほつ)” の例文
失ひ夫より江戸に下らんとして大津おほつ宿外しゆくはづれより惡漢に付れ終にお花をうばひ取れ斯樣々々かやう/\わけにて取返とりかへせしが其のせつ荷物にもつと路金百兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ゐねむりをしい/\、むかし道中だうちうをしたといふ東海道とうかいだう里程りていを、大津おほつからはじめて、幾里いくり何町なんちやう五十三次ごじふさんつぎ徒歩てく饒舌しやべる。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お幸はその中に新しい貼紙はりがみの一つあるのを見出みいだしたのです。それは大津おほつの郵便局で郵便配達見習を募集するものでした。
月夜 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「あまかぞふ大津おほつの子が逢ひし日におほに見しかば今ぞくやしき」(巻二・二一九)という歌をも作っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
智山 冬の日のくれぬうちに大津おほつ宿しゆくまで。
佐々木高綱 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
海辺には松も何も生えて居ません。大津おほつの崎が淡路あはぢとすれすれになつて見える遠い景色をいと見て居るだけの所です。旅館の建ち並んだうしろに昔のお台場だいばがあります。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
立出て其夜大津おほつに泊り翌日は未明みめいより立て名にしおふ近江あふみ八景を眺めつゝ行程に其以前大津を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
聞き三人ながら上方かみがたばかりか江戸の衆も一座かととふに御三人とも大津おほつとか云ふ所の御方と答ふるを偖は古郷をかくして大津と僞りしならんと思ひもしや知つた御方なるか三人のこしの物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)