大手筋おほてすぢ)” の例文
しばらくして、大手筋おほてすぢを、去年きよねん一昨年おととしのまゝらしい、枯蘆かれあしなかつたときは、ぞく水底みづそこんでとほるとふ、どつしりしたものにえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大手筋おほてすぢ下切おりきつた濠端ほりばたに——まだ明果あけはてない、うみのやうな、山中さんちゆうはら背後うしろにして——朝虹あさにじうろこしたやうに一方いつぱうたにから湧上わきあがむかぎしなる石垣いしがきごしに、天守てんしゆむかつてわめく……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)