大商人おおあきんど)” の例文
従って三五屋という名前は大阪では一廉ひとかど大商人おおあきんどで通っていたが、長崎では詰まらぬ商人あきんど宿に燻ぶっている狐鼠狐鼠こそこそ仲買に過ぎなかった。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかし薬としては非常に効能があるそうでチベットの血角をあきな大商人おおあきんどに鑑定して貰ってその後に買いましたのですから確かなものでございます。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
公家くげさん、学者、大商人おおあきんどといったところの紙屑を捨値で買い込んで、これを拾いわけてうまく売り出しやしょう。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼女かれはひとりむすめで、しかもそのいえは城下でも聞えた大商人おおあきんどであるので、親たちは彼女が好むまゝに育てゝゐた。
梟娘の話 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
かえるがなくから帰ろ、で、一度別れた友だちを、おさみしさに誘いたくって、町を左隣家ひだりどなりの格子戸の前まで行くと、このしもた屋は、前町まえまち大商人おおあきんど控屋ひかえや
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
家倉を張った大商人おおあきんどが根こそぎ焼かれて、田舎へ引込むとか他の町へ逼息ひっそくするなどということも珍しくないし、貸家ずまいの者などは殆んどが移転してしまう
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そうなりますには後楯うしろだてと云うものがなければなりません、商人あきんどが大きくなるには、資本もとでを貸してくれる金主きんしゅと云う者がなければ大商人おおあきんどにはなれませんものでございますが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「秀子は派手好きだから、大商人おおあきんどのおかみさんに丁度好かろう」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
大商人おおあきんどガ、日本橋近辺ヨリ集マッテ五六十人バカリシテ場ヲ始メタガ、オレニハイロイロノ馳走ヲシテクレタ故、常盤町ノ女郎屋ヘ行ッテ女郎ヲ呼ンデ遊ンデ居タガ
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
おれと一緒に西国へ来て大商人おおあきんどの跡取りになれとささやいて聞かせた。
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
母親と祖父じいとがあって、はじめは、湯島三丁目に名高い銀杏いちょうの樹に近い処に、立派な旅籠屋はたごや兼帯の上等下宿、三階づくりやかたの内に、地方から出て来る代議士、大商人おおあきんどなどを宿して華美はで消光くらしていたが
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
むかししん州の大商人おおあきんどが商売物を船に積んで、杭州へ行った。