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変哲
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へんてつ
ふりがな文庫
“
変哲
(
へんてつ
)” の例文
旧字:
變哲
何の
変哲
(
へんてつ
)
もない、
観
(
み
)
たところ普通の、如何にも
老舗
(
しにせ
)
の寮らしい、小梅や寺島村にはざらにある構えの一つに過ぎなかった。
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
同様に先生の顔も以前の如く、何の
変哲
(
へんてつ
)
もない土気色を帯び、
膨
(
ふく
)
れッ
面
(
つら
)
を小女の勝手にいじくらせてはいるけれども、それがいかにも詰まらなそうである。
蘿洞先生
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
柳営の諸事情が、彼には幸いしていたものか、華雲殿の件は不問のまま、その年を越え、彼のぶらり駒は、依然何の
変哲
(
へんてつ
)
もなく、武者所の門へ折々通っていた。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
入ってみると、そこは何の
変哲
(
へんてつ
)
もないカフェだった。広いと思ったのは、表だけで、
莫迦
(
ばか
)
に
奥行
(
おくゆき
)
のない家だった。帆村は
先登
(
せんとう
)
に立って、ノコノコ三階まで上った。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一たびふぐを前にしては、明石鯛の刺身も、
鬼魚
(
おこぜ
)
のちりも
変哲
(
へんてつ
)
もないことになってしまい、食指が動かない。ここに至って、ふぐの味の断然たるものが自覚されて来る。
河豚のこと
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
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一見、
変哲
(
へんてつ
)
もないこの古手帳の中には、ある男の不敵な研究の全過程が書きつけられてある。
黒い手帳
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
変哲
(
へんてつ
)
もねえ杉の箱じゃあねえか、これが一体どうしたんだい?」友蔵は手箱を取り上げた。
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
変哲
(
へんてつ
)
もない只の犬だが、八百万石御寵愛の犬とあってはこれも御威光広大、位も五位と見えて、尾の長い五位さまがいとも心得顔に、将軍家お
褥
(
しとね
)
のかたわらへちょこなんと坐ったところへ
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「恐れ入りやした。お手の筋で。……鴎硯さんは、さかえ屋へ上がっていやしたが、面白く騒いで寝て今朝七ツ頃に帰って行ったという、こちらに取っちゃア、何の
変哲
(
へんてつ
)
もねえ話なんで。……どうも相済みません」
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ひとたびふぐを前にしては、明石だいの
刺身
(
さしみ
)
も、おこぜのちりも
変哲
(
へんてつ
)
もないことになってしまい、食指が動かない。ここに至って、ふぐの味の断然たるものが自覚されてくる。
河豚は毒魚か
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
と、
変哲
(
へんてつ
)
もない顔したが、すぐつけ加えて
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“変哲”の意味
《名詞》
変哲(へんてつ)
変わったことや、違っていること。また、そのような点。
(出典:Wiktionary)
変
常用漢字
小4
部首:⼡
9画
哲
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
“変”で始まる語句
変
変化
変梃
変遷
変貌
変物
変挺
変事
変更
変若