“変哲”の読み方と例文
旧字:變哲
読み方割合
へんてつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何の変哲へんてつもない、たところ普通の、如何にも老舗しにせの寮らしい、小梅や寺島村にはざらにある構えの一つに過ぎなかった。
同様に先生の顔も以前の如く、何の変哲へんてつもない土気色を帯び、ふくれッつらを小女の勝手にいじくらせてはいるけれども、それがいかにも詰まらなそうである。
蘿洞先生 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
柳営の諸事情が、彼には幸いしていたものか、華雲殿の件は不問のまま、その年を越え、彼のぶらり駒は、依然何の変哲へんてつもなく、武者所の門へ折々通っていた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)