変人へんじん)” の例文
この先生せんせいもどちらかといえば、あまりひと交際こうさいをしない変人へんじんでありましたが、こんなことから、となりおとこはなしをするようになりました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
変人へんじんなんだから、今までもよくこんな事があったには有ったんだが、変人だけにすぐなおったもんだがね。不思議だよ今度こんだは」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「うむ、変人へんじんだと承知しょうちでおいてみるのだから、いまからこぼすのはまだ早い、とにかく十か二十日も使ってみんことにはわかりゃせんじゃないか」
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
国民学校の先生になるという事はもう、世の中の廃残者、失敗者、落伍者らくごしゃ変人へんじん、無能力者、そんなものでしか無い証拠だという事になっているんだ。僕たちは、乞食だ。
春の枯葉 (新字新仮名) / 太宰治(著)
変人へんじんですよ」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「このいえは、あぶないのだよ。先生せんせいは、変人へんじんだから、ひとまないうちんでいるのだ。」と、一人ひとり子供こどもが、いいました。
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
下女げじょはだいいちに花前さんはえい人だという。変人へんじんだといってばかにするのはかわいそうだという。ごはんだといわなければ、けっしていにこない。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
しかし細君や子どもたちは、変人へんじんとはいえ、花前がいかにもきちんとした顔をしているので、いたずら半分はんぶんにはしのことをうてみるようなことはしない。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「どうして、変人へんじんなんですか?」
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)