國境くにさかひ)” の例文
新字:国境
その正月しやうぐわつのおかざりあつめてむらのはづれまできますと、そのへんにはびつくりするほどおほきないはいし田圃たんぼあひだえました。そこからはもう信濃しなの美濃みの國境くにさかひちかいのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
よきしゆくなりしならん大きな宿屋荒果あれはてあはれなりこゝに木曾義仲馬洗うまあらひの水といふ有りといへど見ず例の露伴子愛着の美人も尋ねずわづかに痩馬に一息させしのみにて亦驅けいだす此宿より美濃みの國境くにさかひ馬籠まごめまでの間の十三宿が即ち木曾と總稱する所なり誠に木曾にりしだけありてこれより景色けいしよく凡ならず谷深く山聳へ岩に觸るゝ水生茂おひしげる木皆な新たに生面を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)