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嗾
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け
ふりがな文庫
“
嗾
(
け
)” の例文
やっぱりでたらめでもいいから
嗾
(
け
)
しかける者がなきゃだめだ。(中略)やっぱり民衆のお尻をくすぐらなきゃ駄目だ。いまお尻を
文学における今日の日本的なるもの
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ああ、早く鎖を解いて、このやつらに
嗾
(
け
)
しかけて噛み散らかさしてやりたい、誰かムクの鎖を解いてやるものはないか
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「お父さんは、お前たちのことをモルモットだって云ってなさるよ。よくお前は六匹も生んだねえ、なんて」お妻はおどけて
嗾
(
け
)
しかけるように云った。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
二人のかけあいの合間に、千々子さまが賢夫人の耳元で、ぼそぼそ囁きながら、なにか、しきりに
嗾
(
け
)
しかけている。
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
此時代の相違を認識することなくして、昔流の
嗾
(
け
)
しかけ方針では今日の青年は恐らく断じて動くまい。
蘇峰先生の「大正の青年と帝国の前途」を読む
(新字旧仮名)
/
吉野作造
(著)
▼ もっと見る
蛇はまずその米を喰いはじめたのを見すまして、寄はかの犬を
嗾
(
け
)
しかけると、犬はまっさきに飛びかかって蛇を噛んだ。彼女もそのあとから剣をふるって蛇を斬った。
中国怪奇小説集:03 捜神記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そして、何だか怒鳴り返していたが、やがて、
奥庭
(
おくにわ
)
に
寝転
(
ねころ
)
んでいた「熊」を呼んで
嗾
(
け
)
しかけた。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
「用もねえのにうろうろしてるような者の相手になってる暇はおれにゃねえな。ここは知らねえ者の来るところじゃねえ。さっさと帰った帰った。帰らねえと犬を
嗾
(
け
)
しかけるぞ」
白銀の失踪
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
と子供が
嗾
(
け
)
しかける。
若
(
も
)
し向う岸に子供の姿が見えれば、人間同志が吠え始める。
ある温泉の由来
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
而してそれを
嗾
(
け
)
しかけて、弱いもの
窘
(
いじ
)
めを楽む子供もあれば、馬鹿な
成人
(
おとな
)
もある。弱い白は屹度
咬
(
か
)
まれる。其れがいやさに隠れて出る
様
(
よう
)
にしても、何処からか嗅ぎ出して屹度跟いて来る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「そうだそうだ、そんな分らねえ奴あ
擲
(
なぐ
)
っちまえ!」と傍から
嗾
(
け
)
しかける。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
若者は面白ずくに
嗾
(
け
)
しかける。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
そして口笛を吹いたり、
嗾
(
け
)
しかけたり。その喧嘩が厭わしく痛ましければ痛ましい程喜びに酔ったように見える彼等。
マクシム・ゴーリキイの伝記:幼年時代・少年時代・青年時代
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
兵馬と
東雲
(
しののめ
)
との間が、果してどんなわけになっているのか知れないが、それをお松に向って輪をかけて
吹聴
(
ふいちょう
)
し、お松を
嗾
(
け
)
しかけるようなことにしては、これはたしかに罪です。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
われわれがいいくらいに
嗾
(
け
)
しかけるものだから、四谷見附や仲町あたりで待伏せするようなのも三人や五人ではなく、貧乏な安部のために進んで奉加につきたいのも大勢いたが
予言
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「こりゃ驚いた」西郷理学士は大きな身体をくねらせて
可笑
(
おか
)
しがった。「僕の前でそんなことを云ったって
構
(
かま
)
いませんが、鴨田君の前で云おうものなら、
蟒
(
うわばみ
)
を
嗾
(
け
)
しかけられますぜ」
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ところでその界隈へ毎朝何処かの書生がブル・ドッグを
曳
(
ひ
)
いて来る。それを見ると、アレキサンダーは
狂気
(
きちがい
)
のようになる。怖いのだ。しかし書生は腹が立つと見えて、その都度ブルを
嗾
(
け
)
しかける。
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
福兄
(
ふくにい
)
はこう言って、お角を
嗾
(
け
)
しかけました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
七兵衛はお角を
嗾
(
け
)
しかけました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
嗾
漢検1級
部首:⼝
14画
“嗾”を含む語句
使嗾
御使嗾
指嗾
使嗾者
嗾掛
示嗾