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咄
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はなす
呼れ
退役には及ばぬと
仰渡され一件相濟たれども彦兵衞は
愍然さうな事をなしたりと
咄を權三助十は
聞彌々勘太郎を怪く思ふ中勘太郎は
家主始め長家中へも少しづつの金を
貸與へし故皆々勘太郎を
持出て
挨拶なし
斯雷の
鳴に女ばかりにて
淋き
折柄故晴るまで
咄給へと
取卷しかば彦兵衞は元來
辯舌能上方の名所又は女郎屋の
體等面白く
咄により老女も
興に入り
其許には何方に
住宅致され候やと尋ねけるに私しは御近處橋本町
願人坊主の
隣に
罷在て小間物
商賣致し候と云ふを