名指なざし)” の例文
立三味線は勝三郎、脇勝秀、立唄たてうた坂田仙八さかたせんぱち、脇勝久で、皆稲葉家の名指なざしであった。仙八は亡人なきひとで、今の勝五郎、前名勝四郎の父である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
遊びというものが面白くないとも思っていませんから、ふらり内弟子のものと共に品川へ参り、名指なざし登楼あがって見ますと、成程なか/\の全盛でげす。
名指なざしにせしが此度も又大膳だいぜん對面たいめんなさんか否々いや/\若し山内伊賀亮がわきより聞てさとらば一大事なりさらば此度は伊賀亮を名指なざしにてかれに對面してあざむおほせん者をと工夫くふうこらやがて八山の旅館りよくわんに到り案内を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とある軒下のきした辿たどり着いたのが名指なざしの香取屋。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婆「あれさ力持じゃアございません、本当に小増さんをお名指なざしひどいじゃアございませんか」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ある軒下のきした辿たどいたのが名指なざし香取屋かとりや
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
新「お初会の名指なざしです」