各所かくしょ)” の例文
種々のかたちで世界の各所かくしょあらわるゝ、人心じんしん昂奮こうふん、人間の動揺が、まぐろしくあらためて余の心の眼にうつった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「では、試合にさきだって、伝令でんれいの者が、各所かくしょたまりの人々へ、番組ばんぐみ予告よこくするのが定例じょうれいでござるゆえ、そちらの闘士をきめて、この下へご記名きめいねがいたい」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……とうとうたる太鼓たいこ……かたのごとき黄母衣きほろ赤母衣あかほろ白母衣しろほろ伝令でんれいが、番外ばんがいの五番試合じあい各所かくしょひかじょへふれて、にじのように試合場しあいじょうのまわりを一じゅんする……
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
などとその小屋にはいちいち木札きふだがうってあって、各所かくしょものものしいありさま、すでに明日あすとせまってきた大講会広前だいこうえひろまえ試合しあいのしたくやなにかに活気かっきだっていたが、いま、天下大半たいはんのあるじ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)