右方うほう)” の例文
妙見の長い山脚を越えて、千々岩岳、吾妻岳、九千部くせんぶ岳などが蒼茫そうぼうとして暮行くれゆく姿を見せ、右方うほう有明海の彼岸ひがんには多良たら岳が美しい輪廓りんかくを描く。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
渋峠を余程くだった処に、澗満かんまんの滝という大滝が絶壁の上から落下する。右方うほうは原を隔てて琵琶びわ沼がある。
西にしひがしはてしなき大洋たいやうめんでは、荒浪あらなみさわぎ、ていをどつて、とても仔細こまかいはなしなどは出來できない、かく巨濤おほなみは、げんくだけてていくつがへらんとす、大尉たいゐラタをば右方うほうまはし、『すゝめ!。』の一聲いつせい
途上遥か右方うほうしたひもを懸けたるがごとく、白帯一条の見ゆるは常布じょうふ滝という。このへんことごとく裸山にして、往年白根噴火の名残なごりとして焼石のはいを表わしているのと枯木の幹が白くなって立っている。