トップ
>
口端
>
くちは
ふりがな文庫
“
口端
(
くちは
)” の例文
人の
口端
(
くちは
)
にも笑われぐさだ。恥ある侍ふたり刺し
交
(
ちが
)
えて、鎌倉殿へ、ご偏頗なお仕打のお返しをして見しょうか。……いや待て。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悪いうわさの
口端
(
くちは
)
に広まらぬようにと、ずいぶん気をつかってでござりまするが、あれこそまったく女地獄、このごろではどういう素姓の者やら
右門捕物帖:29 開運女人地蔵
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「ほんに此れは人の
口端
(
くちは
)
ばかりではなさそうな……したがわしの思うには、いまの
其方
(
そち
)
に何を言うても解るまいが、身分違いの色恋は、大てい
幸福
(
しあわせ
)
に終らぬものじゃ」
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
道徳の方からは、「貞女両夫に
見
(
まみ
)
えず」なぞと睨み付けられているし、習慣の方からは世間の
口端
(
くちは
)
という奴が「女にあれがあってはねえ」と冷たい眼で見詰められております。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
わけて近頃、
出色
(
しゅっしょく
)
の男に、木下藤吉郎ともうす者……至って小身者の由ですが、何かにつけ、城下の領民たちの
口端
(
くちは
)
によう名の出る男などおりまする
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
そうしてそのまま
猟奇
(
りょうき
)
の
輩
(
ともがら
)
の
口端
(
くちは
)
に上って、色々な臆説の種になっているばかりである……という事実を、先生は多分、何かの雑誌か、新聞で御覧になった事でしょう。ハハア。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
『何もまだ、考えておりません。とかく、人の
口端
(
くちは
)
はうるそうござる。
足繁
(
あししげ
)
く宅へお遊びに来られる事なども、お互の為、暫く、お
慎
(
つつし
)
みくださらぬか』
濞かみ浪人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
するな。してくれるな。もし、世上の
口端
(
くちは
)
にまでのぼるようになったら、それはかえって尊氏を
危
(
あや
)
ううし、暗やみの兇刃以上な難儀を呼ぼう。わかったか
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
という呼び声が、一種の人気のようによく人の
口端
(
くちは
)
にのぼった。若御料とは、千寿王への敬称である。たんに可憐であるためか。それとも別な何かであるのか。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
世の危うさが人の
口端
(
くちは
)
にのぼりだすと、たれもがみな、同じようなことをいうものではある。——高氏は薄ら笑った。そして敢てにも、自身を
聞
(
き
)
き
人
(
て
)
においていた。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それにはちがいありません。けれど公知は、人の
口端
(
くちは
)
などに乗せられて、申すのではありませぬ」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに、いくら年
経
(
へ
)
たあいだにせよ、なお
老木
(
おいぎ
)
にも色香はある。おたがい、ひとの
口端
(
くちは
)
に誤られぬよう、会うのも、人中こそよけれじゃ。——お
許
(
もと
)
、あのふすまを開けてくれい
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、このことがあってから、ふたりの恋は、あらわに、人の
口端
(
くちは
)
にのぼって来た。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いま、その袈裟の身に凶事があって、人びとの
口端
(
くちは
)
にかの女の名が争っていわれ出すや、かれもまた、
盲恋
(
もうれん
)
の窓を放って、まるで自分のことみたいに眼色をかえ、人びとの中へ割りこんでいた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
“口”で始まる語句
口惜
口
口吻
口説
口髭
口籠
口許
口上
口調
口々