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半開
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はんびら
ふりがな文庫
“
半開
(
はんびら
)” の例文
秀夫は婢に
跟
(
つ
)
いて狭い廊下をちょと往くと、
行詰
(
ゆきづまり
)
の左側に引立てになった
襖
(
ふすま
)
の
半開
(
はんびら
)
きになった
室
(
へや
)
があった。婢は秀夫をその中へ案内した。
牡蠣船
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
物馴れた敏捷な聞手は早くも気勢を洞察して、
半開
(
はんびら
)
きにした爺さんの扇子がその鼻先へと差出されぬ
中
(
うち
)
にばらばら逃げてしまう。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そして
爪先
(
つまさき
)
でぐるっとまわって、ふりむくと、
半開
(
はんびら
)
きの
扉
(
ドア
)
の
間
(
あいだ
)
から、こちらを見ている
祖父
(
そふ
)
の顔が見えた。祖父に笑われてるような
気
(
き
)
がした。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その
少
(
わか
)
い方は、
納戸
(
なんど
)
の
破障子
(
やぶれしょうじ
)
を
半開
(
はんびら
)
きにして、
姉
(
ねえ
)
さん
冠
(
かぶり
)
の横顔を見た時、
腕
(
かいな
)
白く
梭
(
おさ
)
を投げた。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
戸は
半開
(
はんびら
)
きになっていて、なかから音楽が、いかにもやさしく、いかにもあまくうつくしく、ほれぼれと引きこまれるような
音
(
ね
)
にきこえていました。これこそまったく
魔法
(
まほう
)
のようなわざでした。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
いう
間
(
ま
)
もおそし、一同はわれ遅れじと梯子段を
駈
(
か
)
け下りて店先まで走り出ると、
差翳
(
さしかざ
)
す
半開
(
はんびら
)
きの
扇子
(
せんす
)
に夕日をよけつつ
静
(
しずか
)
に船宿の店障子へと歩み寄る一人の
侍
(
さむらい
)
。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
遁腰
(
にげごし
)
に、
扉
(
ひらき
)
を
半開
(
はんびら
)
きに
壓
(
おさ
)
へて、
廊下
(
らうか
)
を
透
(
す
)
かしながら、
聞定
(
きゝさだ
)
めて
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
半
常用漢字
小2
部首:⼗
5画
開
常用漢字
小3
部首:⾨
12画
“半開”で始まる語句
半開生活