“差翳”の読み方と例文
読み方割合
さしかざ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
覚悟したれば身を交(かわ)して、案のごとく踵(かかと)をあげたる、彼が足蹴(あしげ)をば外(そら)してやりたり。蒲団持ちながら座を立ちたれば、拳(こぶし)の楯(たて)に差翳(さしかざ)して。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
静に臥(ふ)したりし貫一は忽ち起きて鞄を開き、先づかの文を出(いだ)し、焠児(マッチ)を捜(さぐ)りて、封のままなるその端(はし)に火を移しつつ、火鉢(ひばち)の上に差翳(さしかざ)せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
父は田崎が揃えて出す足駄(あしだ)をはき、車夫喜助の差翳(さしかざ)す唐傘(からかさ)を取り、勝手口の外、井戸端の傍(そば)なる雞小屋(とりごや)を巡見(じゅんけん)にと出掛ける。
狐 (新字新仮名) / 永井荷風(著)