北平ほくへい)” の例文
しかるに燕王の北平ほくへいを発するに当り、道衍これをこうに送り、ひざまずいてひそかもうしていわく、臣願わくは託する所有らんと。王何ぞと問う。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
北平ほくへい公孫瓚こうそんさんと国境の争いを起したによって、兵糧不足し、軍兵も足りないから、合力ごうりきしてくれまいか——という申入れだ。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ひそかに北平ほくへい(河北省・満城附近)の太守公孫瓚こうそんさんへ使いを派し、冀州をって、これをけ奪りにしようではないか。——そういってやるのです」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燕王ことばれんことをはかり、うわべしりぞけて通州つうしゅうに至らしめ、舟路しゅうろひそかに召してていに入る。道衍は北平ほくへい慶寿寺けいじゅじに在り、珙は燕府えんふに在り、燕王と三人、時々人をしりぞけて語る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「河北には、別して変った事態も起っておりませんが、北平ほくへい公孫瓚こうそんさんは、袁紹のために亡ぼされました」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また密奏して曰く、燕王は智慮人に過ぐ、而して其の拠る所の北平ほくへいは、形勝の地にして、士馬しば精強に、きんげんの由って興るところなり、今よろしくほう南昌なんしょううつしたもうべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それにまた先頃、北平ほくへい公孫瓚こうそんさんを亡ぼして、一躍領土は拡大されている。もとより兵糧財貨には富んでいるし、隆々たる勢いの折も折であったから、一も二もなく
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山陽鉅鹿きょろくの人で李典りてんあざな曼成まんせいという者だの——徐州の刺史しし陶謙とうけんだの——西涼せいりょう太守たいしゅ馬騰ばとうだの、北平ほくへい太守の公孫瓚こうそんさんだの——北海の太守孔融こうゆうなんどという大物が、おのおの何千
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)