すゝめ)” の例文
旧字:
三人のむかひてゐたが、代助はついくるまあつらへて置くのを忘れた。面倒だと思つて、あによめすゝめしりぞけて、茶屋の前から電車に乗つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
八月足代弘訓のすゝめにより、剳記を宮崎、林崎の両文庫におさむ。九月奉納書籍聚跋ほうなふしよじやくしゆうばつに序す。十二月儒門空虚聚語じゆもんくうきよしゆうごに自序す。是年柏岡伝七、塩屋喜代蔵入門す。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
これは渡辺金兵衛等のすゝめによつて原田甲斐が取り計らつたのである。伊達安芸は遠田とほだ郡を領して涌谷わくやに住んでゐたが、其北隣の登米とよま郡は伊達式部が領して、これは寺池に住んでゐた。
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
日露戦争の当時、人のすゝめに応じて、株に手を出して全くそくなつてから、潔よく祖先の地を売り払つて、北海道へ渡つたのである。其後そのごの消息は、代助もいま此手紙を見せられる迄一向知らなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
己は隠居してから心を著述にもつぱらにして、古本大学刮目こほんだいがくくわつもく洗心洞剳記せんしんどうさつき、同附録抄ふろくせう儒門空虚聚語じゆもんくうきよしゆうご孝経彙註かうきやうゐちゆうの刻本が次第に完成し、剳記さつきを富士山の石室せきしつざうし、又足代権太夫弘訓あじろごんたいふひろのりすゝめによつて、宮崎
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)