勇躍ゆうやく)” の例文
私は兵士のように身をていして、怪青年の背後に追いすがった。右のひじをウンと伸すと、運よく彼の肩口に手が触れた。勇躍ゆうやく
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けれど、数日、井伊谷に滞在していた佐々成政が、やがて勇躍ゆうやくして、自領の越中えっちゅう富山とやまの城へ帰ったことは事実である。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたくしまいります。』とれい武村兵曹たけむらへいそう勇躍ゆうやくしてすゝた。大佐たいさまなこさだめてじつ兵曹へいそうかほなが
ところがその中尉はもうすっかり戦闘熱にうかされて、彼の頭は旋風つむじかぜのように混乱してしまい、眼の前に*10スヴォロフ将軍の姿でもチラつくように勇躍ゆうやくして、巧名手柄こうみょうてがらに向って突進するのだ。
彼は教授のめるのも聞かず、勇躍ゆうやく飛んで出ると、スイッチを真暗まっくらの中にさぐってパッとをつけた。たちまち室内しつないは昼をあざむくように煌々こうこうたる光にみちた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
秀吉は、勇躍ゆうやくして退さがった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今や元気と常識とを取り戻した彼は、勇躍ゆうやくして、その仕事ビジネスについた。また新たに、生きている張合はりあいといったものが感じはじめられた。彼は、ふしぎに自分の体が、軽くなったように思った。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
竹童は勇躍ゆうやくして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は勇躍ゆうやくして、化粧室の扉を押した。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)