トップ
>
前輪
>
まえわ
ふりがな文庫
“
前輪
(
まえわ
)” の例文
お婆さんは
頻
(
しき
)
りに遠慮をしました。けれどもとうとう紅矢の親切な言葉を断り切れず、鞍の
前輪
(
まえわ
)
に乗せられて都の方へ連れて行かれました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
首桶の内の物は、夏なのでくさらぬように、前夜、細心なふせぎをほどこし、それは馬の
前輪
(
まえわ
)
に結いつけて、あじろ笠、
法衣
(
ころも
)
姿の馬の背だった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半之丞は御墨付を入れた大事の文箱を、
鞍
(
くら
)
の
前輪
(
まえわ
)
に添えて
確
(
しか
)
と押えたまま、黒助の指さす方を見やります。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
判官は今は仕方なく、一人落ちのびようとしたところへ、乗りつけてきた一騎があった。馬を並べると、むんずと組みついてきた敵を、判官は鞍の
前輪
(
まえわ
)
に押しつけた。
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
と、
青母衣
(
あおほろ
)
を引き纏い、黒馬に乗った四、五十騎の武士が、旅人らしい三人の男女を、引っ捕らえんと騒いでいる。多勢に無勢やがて三人は、馬の
前輪
(
まえわ
)
に掻き乗せられた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
山三郎も
予
(
かね
)
て用意に鉄砲を鞍の
前輪
(
まえわ
)
に着けて来ましたから、互に鉄砲同士となってぴったり身構をしましたが、此の時に粥河圖書はとても
敵
(
かな
)
わんと心得たと見え、鉄砲をからりっと投げ出し
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
実盛は、郎党の首を
前輪
(
まえわ
)
にひき寄せると、頸をかき切った。目前に、家来の討たれるのを見た光盛は、実盛の左手に寄ると、鎧の
草摺
(
くさずり
)
を引きあげて、ぐいと刀を二度突きさした。
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「——馬の足の届くまでは、手綱をゆるめて泳がせよ。手綱強めて、誤ちすな。尾口沈まば、
前輪
(
まえわ
)
にすがれ、水あし急に
塞
(
ふさ
)
がれなば、馬の
三頭
(
さんず
)
に乗下がり、鞍つぼ去って水を通せ」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山三郎は
前
(
ぜん
)
申す剣術の名人で、身構えに少しも隙がありませんから圖書はこれは
迚
(
とて
)
も
敵
(
かな
)
わんと心得て、卑怯にも鞍の
前輪
(
まえわ
)
に付けて参った種が島の短筒に火縄を附けたのを取出して
指向
(
さしむ
)
けました。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
江戸で
需
(
もと
)
めた馬の
前輪
(
まえわ
)
へ、妹お霜の骨をつけ
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
熱田の宮を出ると、それまで、疾風の如くであった信長の態度は、どこか
緩々
(
かんかん
)
たる余裕を示し、駒の背へ、横乗りに身をのせ掛けて、鞍の
前輪
(
まえわ
)
と後輪へ両手をかけながら揺られて行った。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“前輪”の意味
《名詞》
前後に車輪が付いている乗り物の前の車輪。
(出典:Wiktionary)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
輪
常用漢字
小4
部首:⾞
15画
“前”で始まる語句
前
前後
前途
前方
前垂
前刻
前様
前栽
前屈
前掛