“刎(ぱ)” の例文
自分の望みを——折角(せっかく)掛てやった想いを、無慈悲に突っ刎(ぱ)ねるような男に、いつまでもでれでれしちゃあいないのですよ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
かたむけぬ、との御意でありましたから、今日も恵瓊が来て、そっと、よそで会談しておりましたが、頭からその斡旋(あっせん)を突(つ)ッ刎(ぱ)ねて別れたわけでございまする
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と先生は飽くまで強硬に突っ刎(ぱ)ねた。それが卒業式の前の晩だった。私達はその通り実行した。しかし式が済んでから気がついた。三人は卒業証書が貰えない。
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「嘘をお云いな!」と突っ刎(ぱ)ねた。「妾をつけて来たんだろう。……河東節の太夫さん!」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
(何も、旗本などに、娘をもらって貰わんでもいい。——家筋が何じゃ、わけて近頃、名門の次男坊共の風紀は甚(はなは)だおもしろくない。きっぱり、突っ刎(ぱ)ねてやれ)
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どこまでも突っ刎(ぱ)ねてしまうことが出来るだろうか? とりすがって、どんなことでもしようというのを、穴ぐらに、蹴落すことが出来るだろうか? あたしは、してやるつもりだけれど
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
と突(つ)っ刎(ぱ)ねた。
冠婚葬祭博士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
その返答としては「配下の者の旅籠(はたご)屋で搦(から)め捕った曲者(しれもの)は、梁山泊(りょうざんぱく)の廻し者ゆえ、他人の手にはまかされぬ。わが家から奉行所へ突き出す」と、剣(けん)もほろろに突ッ刎(ぱ)ねられ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やい、槍の尻で、この上の天井板を五、六枚つッ刎(ぱ)ねてみろ」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人は、しかと、気持を結び合って、梅軒の求めを突っ刎(ぱ)ねた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、膠(にべ)もなく、突(つ)っ刎(ぱ)ねた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)