処刑おしおき)” の例文
旧字:處刑
この上のお願いには親分さん、この私に親の敵を討たせ、重なる罪の処刑おしおきを、立派に受けさせて下さいませんか、お願いでございます
「だがね、親分。処刑おしおきの話ばかりしていると、あの佐七が怒りましたよ。——人の手錠を眺めながら、そんな話をするのは殺生だって」
「宗次郎さん、私は縛られて行きます。処刑おしおきに上ったら、線香の一本も上げて下さい、——そして、お秋と仲よく暮して下さい」
わたしは処刑おしおきになるだろうが、その代り私の首がさらされる頃は、お静を始め七人の花嫁は、島原か長崎へ叩き売られているよ
わたしは処刑おしおきになるだろうが、その代り私の首がさらされる頃は、お静を始め七人の花嫁は、島原か長崎へ叩き売られているよ
「お嬢様、——私は処刑おしおきになっても本望ですが、——たった一と言、やさしい言葉をかけて下さい、——お嬢様、お願い」
処刑おしおきに上がる前に、所名前が知れるが、——そうすると、初代勘兵衛が江戸に居た事になる。構わないだろうか、師匠」
三十六年前鈴ヶ森の処刑おしおきを見た人たちは、怖いことばかり申して、切支丹の疑いが掛っては助かりようはないと——
小三郎のお白洲しらすの神妙さや、口書きも無事に済んで、処刑おしおきを待っているという話を聴いているだけのことでした。
定吉の性質や、お駒との関係も知っているので、お仙は何もかも読み尽して、哀れな子を処刑おしおきにされるよりはと、女心の浅はかな親子心中をしたのだろう。
人の物でも盗ろうというほどの量見なら、一度は処刑おしおきになって、地獄へ真っ逆様に落込む覚悟をするがいい。
あやめると、今度はおかみの厄介になる——悪者が捕まっても、その処刑おしおきはお上に任せることにしてはどうだろう
「——その成瀬屋総右衛門の家へ、二年前に処刑おしおきになった蝙蝠冠兵衛がたたるんだから変じゃありませんか」
「どうぞ、私を縛って、文七は許してやって下さいまし。私は処刑おしおきになっても、少しもうらみがましい事は申しません。みんな私の馬鹿がしたことでございます」
笹野新三郎も躍起となりますが、処刑おしおきを覚悟で口をつぐんでいるのは、全くどうしようもなかったのでした。
切支丹の周助はそれを承知するはずはない、——父娘おやこ揃って処刑おしおきにもなる覚悟で、妾奉公にやるなら、娘に本当の事を打明け、親娘名乗をして引取ると言い出した
江戸の武家町人を鏖殺みなごろしにしないまでも江戸中の大騒ぎを起させる目論見もくろみのところ、丸橋忠弥の召捕から一味ことごとく処刑おしおきになって、毒薬はお上の手に召上げられ
ところでお美乃さん、もう聴いているだろうが、処刑おしおきは明後日の正午しょううまこくだ。正直のところ、それまでに、小三郎を助ける見込みが立つかどうか、俺にも判らない。
娘まで処刑おしおきになっては可哀想だと思い込んでいたのだ、——閑斎はそれをつけ目に十七年の長い間周助を脅かし続けた、が、もう強請ゆすろうにも絞り尽してしまって
鬼のようなお皆を殺して、処刑おしおきに上っちゃ間尺に合いません。ただもうまぬかれるだけは免れたいと思いました。——でも、お嬢さんが縛られちゃ、黙っていられません。
「三年前、処刑おしおきになるばかりのところを縄抜けをして行方ゆくえ知れずになったとは聴いておりますが」
「親分、聞いて下さい、こうなりゃ、みんな言ってしまいます。そして立派に処刑おしおきを受けます」
せ止せ、どうせ処刑おしおきになる身体だ。それより、俺は、おめえにちょうどいい嫁を見付けたよ」
お銀も元吉も処刑おしおきになり、伊豆屋の二番目息子の徳三郎は、それっきり行方不明になりました。
「いずれお白洲へ呼出されて、何とか処刑おしおきになるだろう。しかし、旅籠屋はたごや褞袍どてらを着たまま二里の道を中橋まで来て、夜明け前に品川へ引返した滝松は恐ろしい人間だよ」
捜し、処刑おしおきをしないまでも、これからそんな事のないように、うんとおどかしてやって下さい
万一無実の罪で処刑おしおきを受けるようなことになっては、先代大旦那様からくれぐれも頼まれたこの私が済みません。親分さん、お願い——どうぞ、若旦那を助けてやって下さい
浪江には遠縁の者から婿養子をれて、滝三郎の処刑おしおきがすむと、祝言の盃を挙げさせました。
「親分、天狗小僧も五十だ。今から処刑おしおきでもあるめえ、それだけは勘弁しておくんなせえ」
「日本橋の高札場なら我慢も出来るが、鈴ヶ森の処刑おしおき台に曝されかけているんだそうで」
「綱吉も、海雲寺の僧も何とかいう指物師も処刑おしおきになったが、お前はどこにいたんだ」
金ずくで女房をられた怨みだ。どんな処刑おしおきでも受けますが、その代り、遊び人風情に女出入りで眼玉を射られた大村兵庫も何とかして貰いましょう——とね、こう申上げる積りで。
刺されたのがねらったお才でなくて、どんなに驚いたろう。がそのうちにお才が下手人の疑いで引かれ、運がよければお才を処刑おしおきに上げる積りで眺めていたが、昨夜許されて帰って来るのを
「親分、聴いておくんなさい。——出来ることなら隠しおおせようと思いましたが、弟の新吉が処刑おしおきになるのを見ちゃいられません。何を隠しましょう、お駒を殺したのは、この私で——」
贓品ぞうひんが五つでも六つでも出て来たら、この私は処刑おしおき、家は欠所に決っている。
「この家は慶安けいあんの春、謀叛むほんくわだてて処刑おしおきになった、丸橋忠弥の道場の跡だ」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
幾代はお前と一緒になるのを嫌っていたし、それに幾代が下手人になれば、——まことは親の敵討でも、名目は親殺しになるから、重い処刑おしおきまぬかれない。するとお前に浅田屋の身上が自由になる
「ところが、わしは毛頭覚えはない——親分も知っての通り、お咲は大金を出して身請みうけをしたばかり、どんな無算当な人間でも、それを殺して、自分も処刑おしおき台に上る気持になれるものじゃない——」
私どもはあの中には正物ほんものの小判があることと思い込んで、一時人眼に付かないように新墓へ隠しただけでございます。砂利と古金物の詰った千両箱を盗んで処刑おしおきになるのは、いたし方もございません
「でも私は口惜しくて口惜しくてたまりません。嫁を貰うのをいちいちうらまれちゃ、やりきれないじゃありませんか。この先もあることですから、どうぞ下手人をあげて、処刑おしおきに上げて下さい、親分」
「今日鈴ヶ森で処刑おしおきになった、おしゅ殺しの何とかいう野郎ですよ」
二人とも万に一つ処刑おしおきになるような事はあるまいと高を
「仕方があるまい、どうせ処刑おしおきになる佐兵衛だ」
て、処刑おしおきに上るのを見ちゃいられません