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凄々
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すご/\
ば
立たまひたり是に
依て御列座も皆々
退參と相成りければ跡に越前守只一人
殘て
手持なき體なりしが外に
詮すべもなくて
凄々として御役宅を立ち去り歸宅せられしが忠義に
凝なる所存を
願ふは
不埓千萬なり伺ひ度儀あらば奉行が自身に
參上すべき筈なり今般の儀は
役儀に免じ御許しあるべし此趣き早々
罷歸り奉行に申達すべしと云捨て伊賀亮はツと
奧へ
入ば兩人は散々に
恥しめられ
凄々と御役宅へ歸り奉行へ此由を
樂しみに
暮し給へと
種々に
宥めつ
透しつ
諫ると雖もお光は更に思ひ止るべき
所存無れば猶押
返して頼みけるに清右衞門一
圓取用ひ呉ざれば
詮術なさに
凄々と我が屋へ
社は
立戻れど
熟々思へば
懷ふ程無念悔しさ
止難ければ
店請人清右衞門を