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冥途
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よみじ
ふりがな文庫
“
冥途
(
よみじ
)” の例文
冥途
(
よみじ
)
の
苞
(
つと
)
と
齎
(
もたら
)
し去らしめんこと思えば
憫然
(
あわれ
)
至極なり、
良馬
(
りょうめ
)
主
(
しゅう
)
を得ざるの悲しみ、高士世に
容
(
い
)
れられざるの恨みも
詮
(
せん
)
ずるところは
異
(
かわ
)
ることなし、よしよし
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その特異なアクセント、
啜
(
すす
)
り泣くような実感的な哀愁、
冥途
(
よみじ
)
の妖鬼の叫びを思わせる物凄い表情は、忘れようとして忘れることの出来ない、讃之助の古い記憶を揺り動かします。
葬送行進曲
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
赤城家に目を附けさせなば、何かに
便
(
たより
)
よかるべしと小指一節喰い切って、かの血の
痕
(
あと
)
を赤城家の裏口まで印し置きて、再び
件
(
くだん
)
の穴に入り
冥途
(
よみじ
)
を歩みて壇階子に足踏懸くれば月明し。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
不覚なる者共
哉
(
かな
)
、誠の志があるなら、命を長らえて後世を
弔
(
とむろ
)
うてくれたらよいのに、左様な早まったことをされては、
冥途
(
よみじ
)
の障りとなるばかりである、某とても助けてさえ戴けるなら
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
身体は元より命まで殿様に差上げている気だから、死ぬのは元より覚悟だけれど、是まで殿様の御恩に成った其の御恩を孝助が忘れたと仰しゃった殿様のお言葉、そればかりが
冥途
(
よみじ
)
の
障
(
さわ
)
りだ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
低音部の不気味な
強奏
(
フォルテ
)
、それは
冥途
(
よみじ
)
の鐘の音に
擬
(
なぞ
)
らえたものでしょう。
死の舞踏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
敵の
行方
(
ゆくえ
)
が知れない時は、五年で帰るか十年でお帰りになるか、幾年掛るか知れず、それに私はもう取る年、
明日
(
あす
)
をも知れぬ身の上なれば、此の悦びを見ぬ内帰らぬ旅に
赴
(
おもむ
)
く事があっては
冥途
(
よみじ
)
の
障
(
さわ
)
り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
冥
常用漢字
中学
部首:⼍
10画
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
“冥”で始まる語句
冥加
冥利
冥土
冥府
冥々
冥福
冥
冥想
冥罰
冥護