兼帶けんたい)” の例文
新字:兼帯
と、あはれや夕飯ゆふめし兼帶けんたいだいざるはしげた。ものだと、あるひはおとなしくだまつてたらう。が、對手あひてがばらがきだからたまらない。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かけめししる兼帶けんたいの樣子なり其外行燈あんどん反古張ほごばりの文字も分らぬ迄に黒み赤貝あかゞひあぶらつぎ燈心とうしんは僅に一本を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
尤も天にも地にもたつた一人暮し、取次も、主人も兼帶けんたいの貧乏浪人でもあつたのです。
もつぱらとなし料理屋旅籠屋兼帶けんたいなり因て間毎々々まごと/\にはとまきやくあり又一時の遊興いうきように來る客も多く殊の外繁昌はんじやうなる見世なれば長兵衞も心の中に是は聞しにまさる家のかゝりかなと思ひながら内へ入コリヤ長八荷物は此處へおろすべしヤレ/\草臥くたびれしと云つゝ上りばたに腰を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)