兄樣あにいさま)” の例文
新字:兄様
お縫 お兄樣あにいさまが三年越し馴染んでおいでなさる吉原の遊女、大菱屋の綾衣とかいふのはのやうな女子をなごかえ。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
春秋はるあきはな紅葉もみぢつゐにしてかんざし造物つくりものならねど當座たうざ交際つきあひ姿すがたこそはやさしげなれ智慧ちゑ宏大くわうだいくは此人このひとすがりてばやとこれも稚氣をさなげさりながら姿すがたれぬはひとこゝろわらひものにされなばそれもはづかしなにとせんとおもふほど兄弟きやうだいあるひとうらやましくなりてお兄樣あにいさまはおやさしいとかおまへさまうらやましとくち
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)