ぐるま)” の例文
ツイこの頃も社(毎日新聞社)で沼南が、何かの話のついでに僕はマダかかぐるまを置いた事がない、イツデモ辻俥で用を足すというンのだ。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
はれくもりまたつきとなり、かぜとなり——ゆきには途絶とだえる——往來わうらいのなかを、がた/\ぐるまも、車上しやじやうにして、悠暢いうちやうと、はなとりきつゝとほる。……
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それも最初はおかかぐるまではなかったらしく、近所の車宿から雇っていたが、後には専用の車夫と車台を持っていた。
文壇昔ばなし (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
此奴こいつ乗打のりうちをしたナ、覚えてろ!」と紅葉は手を振上げて打つまねをするとヨタヨタぐるまがいよいよヨタヨタした。