“幌俥”の読み方と例文
読み方割合
ほろぐるま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二三時間の後、信子は電車の終点に急ぐべく、幌俥ほろぐるまの上に揺られてゐた。彼女の眼にはひる外の世界は、前部の幌を切りぬいた、四角なセルロイドの窓だけであつた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
日蔭町ひかげちょう寄席よせの前まで来た私は、突然一台の幌俥ほろぐるまに出合った。私と俥の間には何のへだたりもなかったので、私は遠くからその中に乗っている人の女だという事に気がついた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)