“空俥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
からくるま50.0%
からぐるま50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は暗い路ばたにしょんぼり佇んで、独り涙んでいたが、ふと人通りの途絶えた向うから車のわだちが聞えて、提灯ちょうちんの火が見えた。こちらへちかづいてくるのを見ると、年の寄った一人の車夫が空俥からくるまを挽いている。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
車夫はろくに見知りもないものに大金を渡して平気でいる女の顔を今さらのようにきょときょとと見やりながら空俥からぐるまを引いて立ち去った。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)