“からぐるま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
空車93.3%
空俥3.3%
空腕車3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鳥の羽音、さえずる声。風のそよぐ、鳴る、うそぶく、叫ぶ声。くさむらの蔭、林の奥にすだく虫の音。空車からぐるま荷車の林をめぐり、坂を下り、野路のじを横ぎる響。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
車夫はろくに見知りもないものに大金を渡して平気でいる女の顔を今さらのようにきょときょとと見やりながら空俥からぐるまを引いて立ち去った。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
空腕車からぐるまきつけて、しゃがんで、畜生道の狛犬こまいぬ見るよう、仕切った形、にらみ合って身構えた、両人とも背のずんぐり高い、およそ恰好かっこう五十ばかりで骨組のたくましい、巌丈がんじょうづくりの、彼これ車夫。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)