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伝法院
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でんぽういん
ふりがな文庫
“
伝法院
(
でんぽういん
)” の例文
旧字:
傳法院
いまや、その
巣窟
(
そうくつ
)
の上に、裁決の日は来た。一山の僧房や
伽藍
(
がらん
)
は、わずか
伝法院
(
でんぽういん
)
の一宇を残したきりで、炎々たる
兵燹
(
へいせん
)
に
罹
(
かか
)
った。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
銭形平次がそう言った時、お菊はもう平内様の堂を離れて、
伝法院
(
でんぽういん
)
の横の方へ、美しい鳥のように姿を隠すのでした。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
どんよりと曇りて風なく、雨にもならぬ秋の
一日
(
いちにち
)
、浅草
伝法院
(
でんぽういん
)
の裏手なる
土塀
(
どべい
)
に添える
小路
(
こうじ
)
を通り過ぎんとして
忽
(
たちま
)
ちとある
銘酒屋
(
めいしゅや
)
の小娘に
袂
(
たもと
)
引かれつ。
葡萄棚
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
その
伝法院
(
でんぽういん
)
の前を来るまでは見たのですのに、あれから、弁天山へ入るまでの間で、消えたも同じに思われました。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浅草の
伝法院
(
でんぽういん
)
へ度々融通したのが縁となって、その頃の伝法院の住職唯我教信と
懇
(
ねんご
)
ろにした。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
戸外
(
そと
)
はきれいな月の光に
彩
(
いろど
)
られていた。もう活動や芝居がはねかけているので、人通りが多くなっていた。山西は
伝法院
(
でんぽういん
)
の塀に添うて並んだ夜店の前を通って、池の方へ往った。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
今度は
入違
(
いれちがい
)
に
伝法院
(
でんぽういん
)
の
御役僧
(
おやくそう
)
と
町方
(
まちかた
)
の御役人衆とがお
出
(
いで
)
になり、お茶屋へ奉公する女中たちはこれから
三月中
(
みつきうち
)
に奉公をやめて親元へ戻らなければ
隠売女
(
かくしばいじょ
)
とかいう事にいたして
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ある日、女中のお
勢
(
せい
)
と一緒に、ツイ目と鼻の観音様へお詣りをして、
伝法院
(
でんぽういん
)
の前まで来ると、お勢がほんのちょいと眼を
外
(
そら
)
すうちに、お雛の姿が見えなくなってしまったのです。
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
伝法院
(
でんぽういん
)
の塀をはなれて池の
縁
(
ふち
)
へ出たところで、左の方から来る
人群
(
ひとむれ
)
の中に、
友禅
(
ゆうぜん
)
模様の
羽織
(
はおり
)
を着た
小女
(
こむすめ
)
を
見出
(
みいだ
)
した。彼は
静
(
しずか
)
にその方へ寄って往って、その顔をじっと見ながら微笑を送った。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
少しぞんざいな口をきいて、お秋はよりそうように
伝法院
(
でんぽういん
)
の裏の方を指しました。桃色真珠のように、夕陽に透いてキラキラと光る指を見ると、目当ての家などは
何
(
な
)
んでもよかったのでしょう。
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
伝
常用漢字
小4
部首:⼈
6画
法
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
院
常用漢字
小3
部首:⾩
10画
“伝法”で始まる語句
伝法
伝法肌
伝法風
伝法口調
伝法授戒
伝法灌頂
伝法寺屋松右衛門